2008年 04月 07日
懐かしの我が家 |
懐かしの我が家の写真を発見した。
ちょうど一年前、荷物をまとめる前に撮影したやつである。
マイピクチャのフォルダの端っこに忘れられていた。
このときすでに段ボールがたくさんあって散らかっていたので全体の写真はない。
俺は埼玉県久喜市という関西から出てくる人間がそうは居るとは思えない
マイナーな町に五年間すんでいた。
駅から徒歩3分、家賃三万円、平屋一戸建て、風呂トイレ付きという奇跡の物件。
大学が決まってすぐに母親がネットで見つけていた。
別に行きたかった大学でもなく、なんとなく前向きに慣れない気持ちを持ちつつ
も初めて訪れたこの家は妙に落ち着いた。
玄関を開けると庭向かいにある大家さんちのおばあちゃんが庭を歩いている
光景が見えた。
そのイメージがフラッシュバックして思い出したことがあった。
俺が通っていた塾の先生に
「僕は大学になったら草木染めとかやりたいから広い一戸建てがいいんですよ。」
と言ったとき。
先生が
「じゃあ今からよくその家イメージしといたらええんよ。リアルに。」
と言っていたことがあって、その時に思い描いた光景そのものだった。
その時、後ろ暗い気持ちをひきずりつつも
「縁あってやってきたのだろう・・・」
と少し思うことが出来た。
結局、そのまま五年間、常に手を加えながら住み続けた。
そうして住み続けた家はまさしく自分そのものであったけれども、自分では
なごり惜しさのなかに別れのタイミングを感じていた。
昆虫で言えば、脱皮のタイミングである。
少し悲しいけれどももう俺がここで出来る事は終わった。
そんな感覚が自分の中で渦巻いていて、慌ただしく荷物を引き払ってしまった。
でも、やっぱり俺はこの家が大好きであった。
たまに、少し思い出す。
by CoCoschKa
| 2008-04-07 03:55
| ココシュカのつぶやき