2006年 10月 14日
ショー写真とエピソード |
ショーの写真です。
上から和服地のセットアップ、インナーは柿シブ染めに鉄焙煎で
模様を適当につけたもの。
コチニール染めロングカーディガン、上とは違う和服地のノースリーブ
シャツ、レディースのケンゾーのコートをバラして作ったパンツ。
手縫いライダース、農業用の麻袋を藍染めして作ったパンツ
が俺のラインでした。
とまぁ、別に俺の服のことはともかく、今回モデルをしてくれた方々
には、どういうわけか全員専属モデル状態になってもらってたことも
あり、相当個人的にも思い入れがあります。
(他のモデルの人は大抵、ニ、三着着まわしてました。)
あんまりこういう人は珍しいのかもしれんけど、俺はモデルを
ほとんど自分で決めないでモデル管理のM君にほぼ任せて
ました。
三人目の革ジャン男は俺の昔からの友人ですが、セットアップのK君
とIさんになってもらったのはほんとに偶然だったのにもかかわらず
俺の服のイメージにもホンマにぴったりで自分でも着てもらった時に
「すげえな~!!」とかいって感動してました(笑)
何がすごいのかわからんけど(笑)
俺の服の作り方は、というかいつもの仕事の時もそうやけど、
基本いつも着る人を思い浮かべながら作ります。
だからもともとある服のイメージにその人のイメージをからませながら
作業を進める。
革ジャンなんか百時間以上かかってるから百時間ぐらいこの友達
のこと思い浮かべてる訳で、思い返すとキモイです(笑)
レディースを着てくれたIさんについては写真だけで、実際会ったこと
がなかったので、その点かなり不安でした。
俺の場合、マッサージ師だからなのか、なんなのか会うとサイズ
は大体つかめて、作ってる間も駄目そうだとすぐ修正きくんですが、
やっぱり見たことないとその点がホンマに分かりません
「イメージ合うかなぁ・・・サイズ合うかなぁ。」という模索状態で
作ってたのと、彼女に着てもらったカーディガンを織るのが、俺の今回
の服作りにおける山
(1.初めてのジャケット作り 2.カーディガン織り 3.革ジャン)
の内の二つ目に大変なポイントで、それをやってる時はまだまだ
終わりが見えない事も手伝って
「俺なんでこんな大変な思いして服つくっとんねん、
ほんまに服が特別好きなんか?作る事やったらなんでも好きやろ?」
という自問自答モードでした。
でもそんな中、彼女のが一番早く全部完成して、フィッティングで
初めて会って着てもらった時はイメージぴったりやったのと、初めて
自分の服を人に着てもらったのが、もうほんまに人生で何番目かぐらい
に嬉しくて、今までの迷いが全て断ち切れました。
俺は本当に小猿のように跳ね回って喜んでました(笑)
「あぁ・・・俺、服好きなんやな・・・・」と思いました。
コレがなかったら最強の壁、革ジャンは超えられてません。
まぁ、そんなこんなでなんとか直前ギリギリで全ての服を仕上げる
事ができ、無事ショーを終えることが出来ました。
俺にとっては見れば見るほど、全ての服がその人用で、今回
他に出て貰っていた他のモデルさんと、三人の内の誰が入れ代わって
も違う。
他では代えがきかない人達やったな・・・・感じていたので、おとついの夜
モデル管理のM君が家に来た時、
「革ジャンの俺の友達はともかく、他の二人はほんま見つけて来てくれて
有難う!」
という旨の事を言うと
「ほんと・・・なんていうか・・・俺にして見れば奇跡みたいな話なんです。
炎天下の中、原宿に一日中、三日間立ってても誰もつかまらないことも
あれば、一日中誰にも声かけない日もある。
だからモデルやってもらってる人はみな、その日、そのタイミング
で出会えなければ、もうそれまでだったって言う人達なんです。
そういう中から選んでるモデルだから相当、こだわりも思い入れもある
んですよ・・・・」
とかみ締めるように言っていた。
正直、俺はそんなにもモデルを見つけるという事が大変な仕事やと
思ってなかった。
M君に何かの用事で連絡すると、学校も休み中やというのに
「終電で帰りますので、帰り寄ります。」みたいな返事が多く
なんでこんなに出歩いてるんかと思ってたらそういう事やったのだ。
俺は正直、この見えない仕事にたいして感謝が足らなかったな
と思った。
分かってるつもりやったが、服作り、モデル集めに限らず
様々な仕事があいまって全体が完成される。
まぁ当たり前の話なんやけど。
今回のショーは俺にとって学生としては、最初で最期のもので、
迷い鳥のようにモノ作りになにも関係のない大学から乱入して
参加させてもらった賜物です。
何か、物事が成される時というのは本当に針の穴を通すような
本当に些細な可能性が積み重なった上で成り立っているのだ
という事を今回は実感させて頂きました。
今回はそうした上で、まるでなるべくしてこうなったような
俺としては予想以上のものになりました。
全く、思い残すことは在りません。
いまさらくどいようですが、関わってくれたみなさんありがとうございました。
あと、マイミクのバーニーさんこの写真めっちゃ気に入ってます。
使わせて頂きました。
ほんとうにありがとうございました。
by CoCoschKa
| 2006-10-14 04:52
| ココシュカのこども(作品)