2006年 10月 10日
ショー出展作品と述懐 |
今、服を撮ってみて思ったのやけど、やっぱり服は人が着て
初めて形を成すもので、それ単体やと何かもの足りないな。
と思った。
まぁショーの写真を撮ってくれた方がいらっしゃるので、その写真
が出来たらまたアップさせて頂きます。
とりあえず今回の代表作を二点だけ。
おとついのショーですが、おかげさまで俺の中では申し分のない
結果に終わりました。
それこそ、色々な繋がりの人も見に来てくれて、まさに卒業制作
にはふさわしかったです。
見に来てくれた人も繊維の仲間も本当にありがとうございました。
今回、俺は言うてる通り卒業製作ですが、チームのほとんどは一年生
でメイクの人に俺の二つ上の人が居る以外は全員年下でした。
でも俺はその中で大して服作り以外の責任はほとんど伴わない
役職に付き、おんぶにだっこで甘えまくってました。
本当に作業に専念して、今回にふさわしいものが作りたかった。
初めて服を作るのに革でライダースを作るといったような、無謀
にも見える挑戦も周りに安心して他の事をまかせてたから出来た
ようなモンです。
ちょうど二ヶ月引きこもりきって金と労力と時間と知恵を使いきり
ました。人間普通に生きるのにそんなに本気なんて出す必要
が出てくる局面はほとんどないもんですが、すべてに制限をつけず
にぶつかって行くこと程、贅沢で幸せな事はあらへんなと痛感
しました。
おかげで今はどうすんの?っちゅうぐらい金がないです。
体力は昨日、一日中寝たことによって完全に回復したけど
他のことはからっぽ。
ホンマにからっぽ、そこに秋の風が身にしみて気持ちええなぁ。
そんな事を感じてます。
今回のショーでは大げさではなく、人の生きる事の不思議を感じて
ました。
「なんで俺、周り一年生ばっかりの集団にまじって必死こいて服
作ってんのかなぁ(笑)」っていう奇妙な臨場感。
写真のロングカーディガンは糸から玉葱とコチ二ールという貝殻虫の染料で
染めたもので、俺が大学の一年生から二年の初頭
にかけてかなり熱心に研究した「染めと織り」を使って作ったんやけど、
その研究してた時は失敗しかしてなくて、大した作品も作ることが
出来ず封印してた技法でした。
だからこのブログの日記にも登場したことがない。
それが、今回はじめてそれを使って形になったわけです。
まさしく四年越し。
その頃は何作っても大した形にならず、まだモノ作りにおける軸という
ものが無かった俺は日々苦悩でした。
それはショーの仲間と同い年くらいの頃の話で、他の連中が服を
形にするのを見てそういう事を思い出してました。
またその頃は大学がまったくモノ作りに関係ない大学やから(笑)
同好の氏なんて一人もおらんかったしね。周りに。
では俺が今回、初めて「服」を作ったのが遅かったのかというと
そうではなく、考えれば考えるほどこのタイミングしか無かった
なと痛感するわけです。細かいこと含めて。
その気持ちはバラバラに始まって、終わったかに思えていたストーリーが
収束していくような納得感。
「ナイスお膳立て。」
俺の人生の演出家にそう言っておきます。
最後に見に来てくれたお客さんとモデルさんと繊維のみなさん
と協力してくれた諸々のみなさん。
お疲れ様でした&ありがとう。
by CoCoschKa
| 2006-10-10 09:38
| ココシュカのこども(作品)