2006年 10月 03日
武の発見 |
ふと思い出した事を書いておく。
俺は二年間ほど近所のコンビニでバイトしていた。
俺にコンビニは似合わないという声が多い中、色々と
働くに便利な条件が揃っていたので俺は結局そこをかなり
長く続けた。
昔、ブログにも書いたことがあるけどこのコンビニのシフトの三分の一
を一人でカバーしている少し年上の人が居て、この人が物凄い嫌われ
モノだった。
というのも話をすれば嘘しかつかないし、後輩をいびる。
けれども仕事は出来るという人だった。
なんでもこの人がやめさせた人は二十人を下らないという歴戦
の猛者である。
俺は中でも相当この人の標的にされていて、挨拶無視は当たり前
、カッターを首に当てられた事さえニ三度あった。
ぶっとばしてしまえば早い話なのやけど、そうする事も無しに俺は
そのバイトを続けていた。
今となっては思い出せないが、何か辞めることを良しとさせないもの
があり、俺はその人と入ると手の震えが止まらないと言う軽いノイローゼ
のようなモノにかかりながらもなんだかんだで続けていた。
俺は去年の二月十四日までそこのバイトを続けた。
ちょうど丸二年間ほどそこで働いていた事になっていた。
俺はちょうど今やってるもの作りに本腰をいれたくて、バイト
を辞めることにしたのである。
最期の日の夜中にその例の人が不機嫌そうにやって来た。
よくある事なのやが、自分がシフトに入ってない日にやってきては
バックの監視カメラの映像でこちらの働きぶりをチェックしながら
ニ三時間をつぶして帰るんである。
その時、一瞬、俺はもうええんやないかと思った。
もう今日が最期やし、一発ぶっとばしてやっても誰も文句は言わん
本当にそう思ったのやけど辞めた。
その段階ではその人を赦したとかそういう高尚なもんではない。
ただ俺の天邪鬼精神が「普通の人が普通にやってしまう事」を
するのが嫌やったのである。
それに俺がぶっ飛ばした所で本質的には何も変わる事は無いのは
明白やった。俺はただその店に脚を運び辛くなり、その人はしばらく
の間、怪我をしているだけだ、そんなもの面白くもなんとも無い。
そんな筋の見えきったストーリーに興味なぞかけらも無かった。
俺が使いたいのは何が起こるか分からない魔法パルプンテだった。
「一体、これからどうなってしまうんやろ?」そういう何かを確か
に変革する本当の暴力を求めていた。
しばらく考えた末、俺は給料日前で千円とちょっとしか入っていない
財布の中身を全部、引っ張り出してその人がいつも吸っているセブンスター
を四箱買ってバックにまで持っていった。
「どういうつもりだよ?」
「俺からのほんのお礼です。」
「!?」
こういうやり取りがあった。
みな辞めて行った人達の多くはこの人が嫌いで逃げるように
辞めていったのでおそらくこういう事をされるのは初めてやったろう
と思う。
また後日分かった事やけど、その日は彼の誕生日であったらしい。
これ以後、はりつめていた緊張感は一気に緩和された。
その人は今だに俺にマッサージの仕事をくれたり廃棄をくれたりする。
俺がこのコンビニを辞めた時、ちょうど合気道部の主将としての任期
を終えた直後やった。
現役時代、俺はよく後輩に
「運動としてだけ合気道をするのではなくて、
その理念が日常生活に活かせて初めて意味が生まれると思う。」
などという偉そうなことをしょっちゅう口にしていたのやけど、
この一件は俺の個人的な昇段試験のような気がしていてならない。
言わば、俺が大学時代に合気道部にいた意味を試されたような
もんである。
俺はこの時に自分の「武」のあり方の選択を迫られた。
正しい武を選択できたのではないかと思う。
俺は二年間ほど近所のコンビニでバイトしていた。
俺にコンビニは似合わないという声が多い中、色々と
働くに便利な条件が揃っていたので俺は結局そこをかなり
長く続けた。
昔、ブログにも書いたことがあるけどこのコンビニのシフトの三分の一
を一人でカバーしている少し年上の人が居て、この人が物凄い嫌われ
モノだった。
というのも話をすれば嘘しかつかないし、後輩をいびる。
けれども仕事は出来るという人だった。
なんでもこの人がやめさせた人は二十人を下らないという歴戦
の猛者である。
俺は中でも相当この人の標的にされていて、挨拶無視は当たり前
、カッターを首に当てられた事さえニ三度あった。
ぶっとばしてしまえば早い話なのやけど、そうする事も無しに俺は
そのバイトを続けていた。
今となっては思い出せないが、何か辞めることを良しとさせないもの
があり、俺はその人と入ると手の震えが止まらないと言う軽いノイローゼ
のようなモノにかかりながらもなんだかんだで続けていた。
俺は去年の二月十四日までそこのバイトを続けた。
ちょうど丸二年間ほどそこで働いていた事になっていた。
俺はちょうど今やってるもの作りに本腰をいれたくて、バイト
を辞めることにしたのである。
最期の日の夜中にその例の人が不機嫌そうにやって来た。
よくある事なのやが、自分がシフトに入ってない日にやってきては
バックの監視カメラの映像でこちらの働きぶりをチェックしながら
ニ三時間をつぶして帰るんである。
その時、一瞬、俺はもうええんやないかと思った。
もう今日が最期やし、一発ぶっとばしてやっても誰も文句は言わん
本当にそう思ったのやけど辞めた。
その段階ではその人を赦したとかそういう高尚なもんではない。
ただ俺の天邪鬼精神が「普通の人が普通にやってしまう事」を
するのが嫌やったのである。
それに俺がぶっ飛ばした所で本質的には何も変わる事は無いのは
明白やった。俺はただその店に脚を運び辛くなり、その人はしばらく
の間、怪我をしているだけだ、そんなもの面白くもなんとも無い。
そんな筋の見えきったストーリーに興味なぞかけらも無かった。
俺が使いたいのは何が起こるか分からない魔法パルプンテだった。
「一体、これからどうなってしまうんやろ?」そういう何かを確か
に変革する本当の暴力を求めていた。
しばらく考えた末、俺は給料日前で千円とちょっとしか入っていない
財布の中身を全部、引っ張り出してその人がいつも吸っているセブンスター
を四箱買ってバックにまで持っていった。
「どういうつもりだよ?」
「俺からのほんのお礼です。」
「!?」
こういうやり取りがあった。
みな辞めて行った人達の多くはこの人が嫌いで逃げるように
辞めていったのでおそらくこういう事をされるのは初めてやったろう
と思う。
また後日分かった事やけど、その日は彼の誕生日であったらしい。
これ以後、はりつめていた緊張感は一気に緩和された。
その人は今だに俺にマッサージの仕事をくれたり廃棄をくれたりする。
俺がこのコンビニを辞めた時、ちょうど合気道部の主将としての任期
を終えた直後やった。
現役時代、俺はよく後輩に
「運動としてだけ合気道をするのではなくて、
その理念が日常生活に活かせて初めて意味が生まれると思う。」
などという偉そうなことをしょっちゅう口にしていたのやけど、
この一件は俺の個人的な昇段試験のような気がしていてならない。
言わば、俺が大学時代に合気道部にいた意味を試されたような
もんである。
俺はこの時に自分の「武」のあり方の選択を迫られた。
正しい武を選択できたのではないかと思う。
by CoCoschKa
| 2006-10-03 09:30
| ココシュカとぶどう