2006年 04月 05日
ブリキの中に私がいる。 |
どういう風にもの作りやリメイクをしているのですか?
独学ですか?どこかで勉強したのですか?
我流でモノをつくっているのですがよければ話を聞かせて下さい。
というお便り(←この言い方好きです。)をもらったのでそれについて書いて
いきます。
こんな俺で恐縮なんですが(苦笑)
まず始めに言うと、僕が作っているものは全て独学で作っています。
革の縫い方なんかは色んな革製品とかをみたり、本を読んだりはしているので
すが、誰かについて習ったというわけではありません。
本当はだれかに教えてもらったほうが小さな数々の疑問や失敗で行き詰まらず
に作品作りに集中できるので、労力的には楽なのですが僕の場合は時間的余裕
と金銭的余裕が無かったので自分勝手に革を縫い始めました。
ちなみに我流だとどうしても穴ができるので、講習会とかに参加してそこはフォロー
したいと思っています。
あと、ジーンズですが、これのリメイクの仕方は全くの我流です。
全ての作り方は全くどんな文献にも人のやり方にも依ることはなく、なんとは
なしに生まれてきたものです。
思えば、手縫いで死にそうになりながらやってきた昔から作り方の根本は何も
変わっていません。
とは言っても、どこからそんな作り方が降ってわいたのかと疑問に思われると
思うのでそれについて説明させていただきます。
たぶん、このHPでリメイクしたジーンズとかの写真を見られた方はああ言う物
を作ろうという明確なイメージがあって作っていると思われていると思うのですが、
それは全然違いまして、あれは作るものではなく結果的にああなってしまうものなの
です。
これだけ言ってもなかなか伝わらないと思いますが、下の様な流れで(僕の場合))
物は作られていきます。
1.使うと決めている材料
2.自分が材料を使って実現したい方針を決める。
3.材料を使って、いかに決めた方針を実現するか考える。
{この段階で必然的に自分流のやり方が出来る。)
4.作業に入る。
5.完成
僕の場合、この流れで物を作ることが多いです。
ある程度慣れると逆から入れないこともないですが、僕はこの流れが好きです。、
この流れをざっと見ると、一番「モノ作り」なのは3の段階なのかもしれません。
実際、かなり試行錯誤です。
でも、この段階は試行錯誤という言葉が示すとおり考え続けていればある程度
生まれてくるもんです。
だから僕の場合、一番重視しているのは2の段階です。
モノ作りというのは「形を成してないものに形を与える作業」だと思っています。
だから形を成した時にクオリティの高さは、その形を成す前のクオリティの高さ
に左右されると考えています。
少し、ジーンズのリメイクの場合においてその方針のをざっと挙げます。
1.もったいない精神☆(布や破れたジーンズを大事にしたい。)
2.ジーンズを丈夫にリペアする。
3.布の柄を生かしたい。
4.少しの小さなハギレも無駄にしたくない。
5.自分でもかっこよく思えるようにしたい。(平たく言えば、自分のセンス)
こういう形のない想いからそれぞれに見合ったやり方が生まれていきます。
ちなみに2.3.4は1を具体的に説明したものです。
だからほんとに突き詰めて言えば1と5だけかもしれません。
これだけじゃなんだかわかんないですけどね。
ちなみにこの1が相当はしょりましたが、ココシュカではかなり考え込んだ
「哲学のようなもの(コンセプト?)」があります。
だから、極論すればココシュカのジーンズは
「ジーンズと古布」という材料で
「哲学のようなもの」を
「僕の感覚」で具体化したものです。
なんかごちゃごちゃ書きましたがわかっていただけたでしょうか?
だから「何か」を作りたいけどどうすればいいかわからないと言う場合。
「どういう事をしたいか」と「何を使いたいか?」というある程度、やること
が限定されていくような条件を最初にしっかり設けたほうが、迷いのない
作品作りができるような気がします。
蛇足ですが、この「どういう事がしたいか」がもう自分の考え方として定着
してしまった場合は問題は「何を使うか」だけになってくると思います。
(僕の場合は最近、さわり始めた革とかですね。)
陶芸家の枠を超えて色んな材料でモノを作っていた僕の好きな
河合寛次郎さんなどはこう言っています。
「私はこの世に自分に出会うために生まれてきた。
土の中に私がいる。ブリキの中に私がいる。」
僕はこの言葉にとても感じ入るものがあります。
大事なことはそれぞれ個々の材料を扱う技術があるとかないとか
ではないのかもしれませんね。
ご質問があったので偉そうなことを長々書きましたが、こんなもん
で参考になったんでしょうか・・・・
ちょっと心配です。
言い足らないこともあるのですが、それはおいおい書いていきます。
ちなみに写真は石垣島の猫。
by CoCoschKa
| 2006-04-05 04:51
| ココシュカとぶどう