2004年 10月 15日
ジミでヘンな物語 |
この画像はジミヘンドリクスのジャケットとポスターである。
上のジャケットは色んなCDのジャケットの中でもかなり好きな部類であり、
下のポスターは高1の時欲しくてたまらなかったが売ってなかったので
昔、友達からもらったDOSのパソコンのお絵かきソフトでカチカチと真似
て
自己満足に浸っていた。
それはそうとジミヘンである。
知らない人のために言っておくとジミヘンことジミヘンドリクスは27歳の若さ
でアルコールで泥酔によるいわゆる寝ゲロで非業の死をとげた超大物黒人ギタリスト
である。
ジミヘンドリクスの死については諸説あってレコードの権利関係などからの他殺
である可能性なども指摘されている。
俺はそんなにジミヘンドリクスの大ファンというわけではないが昔から奇妙に好き
だった。
前にも書いたが、昔から漫画の筋を作るのが趣味だった俺は、浪人生の時にジミヘン
の人生を扱ったストーリーを一つ作った。
誰にも話してなかったが、おとつい部活の先輩になんとなく話してみたら相当受けが
良かったのでちょっとこの場を借りてお披露目してみる。
俺の記憶の片隅に追いやられてしまっているのを含めれば
(というかほとんど追いやられているが・・・)今までに100を超える
ぐらいは漫画の筋を考えてきたが、俺の隠れ趣味であり、語ったこともちょっと前
まで無かったのでなんだかなぁという感じでもあるが・・・・
オープニングはジミヘンドリクスが十代中盤の頃から始まる。
その時はジミ・ヘンドリクスではまだなく、地元のバーでブルースを演奏
しながら技術を磨いてはいたが、思ったように上達しない自分の演奏にイラだちをかかえていた・・・・・・
そんなある時、バーの客の酔っ払いがジミにむかってこう言った。
「おいジェームス(ジミの本名)おめぇそんなにギターが上手くなりてぇなら
真夜中に町外れの十字路でギターを持って立ってな。ブルーズの神様みてぇ
になれるぜ。へへ」
(ブルースの神様と呼ばれるロバート・ジョンソンは真夜中の町外れの十字路
で悪魔に魂を売り、その技術を手に入れたと言われている。というかそういう歌
がある。)
ギターで身を立てたい一心のジミはその日の夜、町外れの十字路でギターを持って
演奏していた。
彼は悪魔のおとずれを待ちながら狂ったように演奏を続けた。
雨が降り始め、それはやがて大雨に変わったがそれでもジミは演奏をやめる
ことはなかった。
疲労も極限に達した頃「やはり、ただの作り話か・・・・・」とジミが心の中で小さく
つぶやいた瞬間、ジミを包み込んでいる闇よりもっと深い闇が彼を包み込んだ。
闇の中から声がする。
悪魔?:「ギターが上手くなりたいか・・・・・・・・・?」
ジミ:「あぁ・・・」
悪魔?:「代償はお前の魂だ・・・・・それでも良いか・・・?」
ジミ「あぁ・・・・」
「魂を・・・捧げよう・・・・」
ほとんど声にはならなかったがジミはその条件をのんだ。
そこから場面はジミが大人になった場面に変わる。
そこではジミ・ヘンドリクスとしてささやかながらプロ活動をしはじめた
苦渋の下積み時代から、やがて独立したプロになり、スターになるまでを描く。
その所どころで例の悪魔が登場し、ジミと会話をして、人生の方向を指示していく。
ちなみに悪魔は終始、闇の塊で描かれる。
そして1970年の九月十八日、ジミは例のごとく悪魔と会話をしていた。
その日は悪魔との約束を果たす要求をされていた日であった。
その話合いは閑散としたさびしい小さな部屋で静かに行われていた。
悪魔?:「さぁジミ、今日が予定されていた日だ・・・・・・」
ジミ:「待ってくれ、まだ俺の魂は持っていかないでくれ!俺はまだ何にも幸せ
じゃない、ひどい人生だ。」
「しかしようやく、ようやく俺の音楽を世に出せる
ようになった。まだこれからも出したいものがたくさんあるんだ!!」
悪魔?:「それは無理な相談だ。以前から決まっていたことじゃないか・・・・」
「それにお前は勘違いをしているようだ。魂を持っていく?
俺はお前の魂など持って行きはしない。」
ジミ:「!?」
悪魔?:「俺は悪魔などではない。」
「それにもうお前には持っていくべき魂など残ってはいない。
お前の魂は全て音になって流れだしてしまった・・・・・」
ジミ:「一体どういう事だ!!?」
悪魔?:「・・・・・・・・・・そこのドアを開けてみろ・・・・・・」
ジミはその部屋のドアをあけた・・・・・・・
すると目の前には一人の男がひどい風体で死んでいた。
その男は嘔吐物を口から流し、みるも無残な有様だった。
そして、その男とは他でもない自分自身だった。
そして立ちすくんでいるジミに闇が近づき後ろからささやいた・・・
「これがお前の選んだ人生だ・・・・・・・」
そして、次の瞬間、後ろでささやいた闇はまぎれも無いジミ・ヘンドリクスの姿
そのものになってもう一言つぶやく。
「それでもギターが上手くなりたいか・・・・・・?」
ここで景色が一変してジミが狂ったように演奏していたあの十字路のシーンに戻る。
十字路の真ん中ではジミ・ヘンドリクスが最後を迎えたときの姿勢と同じ姿勢で
ジミ少年が倒れていた。
もう朝になっていたが、夜から降り出した雨は依然として止む気配を見せない。
そこに一台の車が通りがかり、倒れているジミ少年に気付いた。
一人の男が車から降りてきて尋ねた。
「おい、ボウズ!!大丈夫か??」
少年のジミは意識を取り戻して一人思った。
「ここは・・・・・・?じゃあ今までのは夢だったのか・・・・・・?」
ほとんどの事はうすらぼんやりとしていてはっきり思い出せないが奇妙
な実感を伴っていた。
「良かった。生きてたか。」
そう男は言った。
そして足元に落ちていたギターを見つけジミに尋ねた。
「ボウズこのギターはお前のか?」
それは、他でもないジミのギターだったが、大雨で中にすっかり水がたまってしまい
おそらく、もう使い物にはならなくなってしまっていた。
しかし、ジミはそんなことよりもギターをみた瞬間に閃光のように思い出される
光景があった。
それは嘔吐物にまみれた凄惨な自分の姿だった。
その記憶はさっき体験したかのようななまめかしさをもっていた。
「それでもギターが上手くなりたいか・・・・・・・」
最後に闇がつぶやいた言葉もはっきりと思い出された。
その時、男は言った。
「ダメだなーこのギターは、こんなに水がたまっちまったらもう使い物にならねぇよ・・・・
ここに捨てて行くかい?」
ジミは沈黙した。
あの最後の光景と闇の言葉が何度も頭もめぐる。
しかし悩んだ末にこう答えた。
ジミ:「・・・・・・・・・・・いや、持って行くよ・・・・コイツは俺の魂なんだ!」
男:「そうかい、ところでボウズ、家まで送ってやろう。名前は?」
ジミ:「ジェームス・・・・・・・」
ジミ少年はそう言いかけたが途中でやめて言い直した。
「・・・いや、ジミ・・・ジミ・ヘンドリクスさ!!」
[end]
少年はジミ・ヘンドリクスとして生きる決断をした。
そういうお話です。
いざ書いてみると、なんか自分でもなかなか考えとる話やないかとか
思ってしまうのですがどうでしょう?
ダメですか?
せっかく頑張って書いたんで、誰か漫画にしてください。
使えませんか?
いや、それにしてもこれはちょっと感想が聞きたいですね。
どうですか?
by CoCoschKa
| 2004-10-15 18:42
| ココシュカのつぶやき